2016年12月30日金曜日

ちょっとだけ〜2016年を振り返って(3)〜

ブックンロールオキナワ2016の期間中。
いろいろな人にお会いしましたが、とても印象に残った言葉をひとつだけ。

イベントにかかわってくださった方が、こんなことをおっしゃっていました。

「本屋のこと、あるいはそれに関わることに取り組んだり、情報を探したり、発信したりするのは、楽しくもあるけれどやっぱりすこし大変なこともある。だけど、本屋のことをほっといても取り上げてくれる時代じゃない。ほかの誰かがやってくれるわけでもない。だから、毎日毎日、ちょっとだけ無理して、頑張って、本と本屋に関わり続けている」

2016年、ブックパーリー・ブックンロールオキナワ、そして仕事の中でも、「日々ちょっとだけ無理をして頑張っている人」をたくさん見ました。

自分のことも顧みてですが。
無理をしない方が本当はいいのかもしれませんし、見合うだけの利益があったかどうか、結論をすぐに出すのは難しいでしょう。かといって私は、その「無理」を否定することは簡単にはできないなぁ、と思っています(全肯定もできないですが)。

たぶん、その中に、生きるということのなんらかがあるような気がしています。

そんなことで今年の振り返り記事は終わります。また来年も、本の周り、そしてブックンロールオキナワ2017でお目にかかれますよう。

2016年12月21日水曜日

今年はこんな本を作りました〜2016年を振り返って(2)〜

閑話休題。
イベントとバンドのことから離れて、2016年に手がけた本を紹介したいと思います。「2016年を振り返って」であれば、もちろん触れなきゃですよね。

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沖縄の出版社は、自分たちが作った本のことを「沖縄県産本」と呼んでいます。空犬太郎さんのブログにもありましたが、本屋さんには必ずといっていいほど県産本の棚が設けられていますので、県産本が手元にあるという方も多いのではと思います(多いといいな)。

流通や支払いの一本化を目的として、出版社と本屋さんとのあいだには「取次会社」が入るのが一般的です。出版社は、本を取次会社に出荷した時点でその分の支払いを受け取りますが、返品があったら返金するという仕組み。取次会社は全国各地の書店さんに入荷本を配本したり、注文を受けて発送したりします。
これは県外での話。

沖縄の出版社の場合は、県内の本屋さんがメインの売り場ですから、距離が近いこともあって、大手取次会社を通さずに自分たちで納品するところが多いです。本を納品した時点ですぐ支払いが立つのではなく、店頭で売れた数をカウントしてその分だけを精算します。コツコツと面倒に映るかもしれませんが、大金を回転させずに実売ベースの小商いをすることで、小さな出版社でも取引ができるわけです。県内での流通をどこかに外注する場合であっても、大手ではなく地元にある取次会社に委託するのがほとんど。

県産本の9割ほどが地元で売れる背景にはこうした事情があります。いや、もともと地元を志向して本を作っているからそういう売り方が合っているのか、「卵が先かニワトリが先か」ということかもしれませんが、ともあれ県産本の多くが地産地消的な売り方をしていることはお分かりいただけると思います。

もうひとつ言い添えますと。
読者が本を手にするまでには、出版社や本屋や流通会社だけではなく、さまざまな人が存在します。印刷会社・編集・デザイン会社・古書店・小売店・図書館……。

日本全体の「100分の1市場」なんて言われる沖縄でのことです。出版王国・沖縄を支えているのは、あまり目立たないかもしれない、本の回りの人たち。もちろん、著者の存在も大きいですし、何よりも本を買ってくれる読者あってのこと。

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で、相変わらず前置きが長いですが、今年わたしが作った「県産本」は以下の通りです(そのほか編集ものがいくつか)。デザインや印刷のクレジットもせっかくなので入れてみました。
どんな本を来年は作ることができるでしょうか。楽しみですね。


復活のアグー 琉球に生きる島豚の歴史と文化
平川宗隆著 カバーデザイン:佐渡山安博 印刷:でいご印刷

うたう星うたう
瑶いろは著 カバーデザイン:YES DESIGN ROOM 印刷:でいご印刷

沖縄のデザインマンホール図鑑
仲宗根幸男著 カバー・本文デザイン:仲田慎平 印刷:東洋企画印刷

尚円王は松金 妻はカマル
やまのはとしこ著 カバーデザイン:武富良実 印刷:でいご印刷

おうちでうちなーごはん!
はやかわゆきこ著 カバー・本文デザイン:渡慶次博 印刷:東洋企画印刷

詩集 恋はクスリ
鈴木小すみれ著 装画:今村雄太 カバーデザイン:YES DESIGN ROOM 印刷:でいご印刷

私のアパート経営〈失敗〉物語
仲村渠俊信著 カバー・本文デザイン:仲田慎平 印刷:東洋企画印刷

ダボハゼ〜人生逆転劇場〜
住川明彦・美恵著 カバーデザイン:佐渡山安博 印刷:でいご印刷

【近刊】
内地の歩き方 沖縄から県外に出るあなたが 知っておきたい23のオキテ
吉戸三貴著 カバーデザイン・本文イラスト:ぐりもじゃサスケ 印刷:東洋企画印刷



2016年12月19日月曜日

バンドやろうぜ!イベントやろうぜ!〜2016年を振り返って(1)〜

長らく更新ができていなかった本ブログ。
年の瀬も押し迫ってきましたので、ここで、今さらながらイベントを振り返ってみたいと思います。

「沖縄でもブックンロールをやろう!」と、わたしが本格的に動き出したのが2016年の年明け頃でした。それまでは私一人の脳内だけにある、空想というか夢想というか、ほとんど妄想に近いものでしかなかったのですが、大きなきっかけとなったのが酒の席でした(こればっかり)。ボーダーインクの飲み会に来てくださったリブロの筒井さんに、「これこれこういうことで、バンドやりませんか?」とお声をかけたら、即答で「やりましょう。ベース、転勤のときに持って来てます」と快諾をいただいたのです。











余談ですが、その飲み会では、むぎ(猫)ちゃんにライブをしてもらいました。




ギターとベースが揃い、そこにボーカルも加わって、3人で初めて練習スタジオに集まったのが5月のこと。ベースと歌にはなんの心配もありませんでしたが、わたし自身は借り物のエレキと中古のエフェクターに慣れるので精一杯。よくライブの場に立ったなぁと、(今さらながら)(我ながら)思っています……。

ライブの部の練習はこうして動きだし、さらに、大事な「トークの部」の準備もスタートしました。「書店員さんに出ていただいて、それぞれの店の“顔が見える”イベントにしたい」と思ってのことでしたが、人選や出演交渉にはかなりの苦労がありました。

でもそこから見えてきたものが、実は、わたし自身がブックンロールで得た最大のものだと思っています。この話は長くなるので、また何かの機会に。

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さらに、脳内には野望がもうひとつ。
ブックンロールをやるなら、本家ブックンロール主催者である空犬太郎さんにもぜひゲストで来ていただきたい。せっかく来ていただくなら、たくさんの本屋さんを一緒に回りたいし、いろいろなブックイベントを見てほしい。

秋の沖縄を彩るブックイベント「ブックパーリー」。2013年・2014年と開催され、その認知度も徐々に上がっていましたが、2015年は諸事情あって開催されず。このままフェイドアウトするのはもったいないと思っていました。そんなこともあって、「一緒にブックパーリーOKINAWAやりませんか」と、本屋関係者のみなさんにお声掛けをしたのでした。

もちろん私の声掛けだけで動いたわけではないですよ。今年の実行委員会となったのが、ジュンク堂書店那覇店の森本店長、リブロリウボウブックセンターの筒井店長、「古書の店 言事堂」の宮城さん、「くじらブックス」の渡慶次さん、そして私の5人です。

パーリー開催に呼応して、県内の各所でイベントが実行されました。
ブックカフェ、書店・古書店さんのオリジナル企画、読み聞かせキャラバン、ミニシアターでの上映会、アウトドアでの読書イベント、モノレール車内での即興演劇、古本市などなど。

本の現場のみなさんが、時には別のジャンルも一緒になって個性的なブックイベントをつくりあげておられました。いや〜今年のパーリーは凄かった。全国各地でもブックイベントは盛んですが、それにも決してひけをとらない盛り上がりを見せたのです。

余談ですが、今年のパーリーの裏テーマは「コラボ」だったかなぁと思っています。
本と映画、本と演劇、本とアウトドア。
そして本とロック!

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こうしたさまざまなイベントの情報のとりまとめ、フライヤー等の制作、マスコミ関係の告知、記者会見、広告代理店さんとのやりとりなど、やるべき仕事は膨大にありました。さらに、実行委員それぞれがイベントを主催したり、どこかに出演したりということも。もちろん通常業務の合間にです。

ブックパーリーの実行委員長を務められた森本さんが何度もおっしゃっていて、今年のテーマにもなった「本は人生を変える」という言葉。

本に関わる皆さん、それぞれで、本に対する思いは異なりますが、「本は人生を変えるからこそ、誰かが、いろんな本に出会えるきっかけをたくさんつくりたい」という思いが、ブックパーリー運営の通奏低音としてあったことでしょう。

これは本の現場だけではないですが、イベントをやるメリットとは何でしょう。大きな利益を出すというのは本当に難しく、本の売上そのものにつなげるのも、また難しいこと。理念だけではうまくいかないし、個々人の努力だけに頼ったものも長く続けられない。

こうした問題には、私自身、まだ答えを持っていませんが、答えに向かって進んでいるような気はしています。

歩いていったその先でしか見えないものが、世の中にはある。

そんなことで、いよいよ動き出したブックンロール+ブックパーリー。
長くなったので、続きはまた次回の更新で。


2016年10月11日火曜日

【トークの部出演者情報】大城書店石川店 吉山盛綱さん

日付が改まって、いよいよブックンロールオキナワ、開催があすに迫ってまいりました。バンド+トーク出演者一同、いろいろ準備に励んでおります。

さて、前回の更新では、【ライブの部】にドラムで出演される小原猛さんについて記事を書きました。いよいよこの出演者情報も残すところあとお一人です。

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大城書店
読谷・嘉手納・うるま市石川に3店舗を構える。地域に愛される老舗書店。路面型スーパーや商店街にある各店には、老若男女問わず客足が絶えない。登壇者は石川店店長の吉山盛綱さん。
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大城書店の創業者は、大城行雄さん。
昭和26年に、地元である読谷村で、24坪の店舗からスタートしました。ご夫婦で始めたお店の信条は「地元密着」。創業当初は、読谷から近隣町村へ客が流れないように、雑誌売上の8割ほどをも宅配していたのだそうです(のちに、村内から範囲を近隣町村へも広げておられます)。そうしたこともあって、界隈では知らない人はいない、地元に愛されたお店として名を馳せています。

今回の登壇者である吉山さんは、現在ある3店舗のうちのひとつ、石川店の店長を務めておられます。なんと20代!若くて、有能な店長さんです。
学生の頃からお店に通っておられたのだそうですよ。

同店は、うるま市石川にある路面型複合ショッピング施設にあります。


大城書店石川店

読谷村都屋にあるマックスバリュの敷地にリニューアルオープンした、読谷店。


大城書店読谷店


さらに、嘉手納ロータリー近くの商店街に店舗を構える、嘉手納店。


大城書店嘉手納店

いずれも、書籍だけではなく、文具や学用品にも力を入れていて、さらにオリジナル商品の開発などにも余念がありません。地域のニーズに応える、という言葉にふさわしい「町の本屋さん」です。
さらに申し上げると、スタッフの皆さんがとても朗らかで親切です。お店に行くとついつい長居をしてしまいます。
お客様との間に日々巻き起こる、楽しいエピソードにも事欠かないようですが、詳しくは登壇者の吉山さんから、当日いろいろ伺うことができることでしょう。

ちなみに。
吉山さん、なんとドラムを叩くミュージシャンでもあるんですよ(!)。



2016年10月5日水曜日

【ライブの部出演情報】怪談作家 小原猛さん

いろいろ極まってきたブックンロールオキナワ2016。新聞・テレビ・ラジオほか、メディアの露出度も高めです。トークイベントとしては(新人バンド「やぎ」としても?)、注目度がかなり高いのではないでしょうか。

取材してくださったメディア関係各位には感謝しかありません。このブックンロールオキナワによって、沖縄の本屋さんにさらなる注目が向いてくれると最高だと思っています。

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さて前回の更新では、【ライブの部】にラッパーとして登場されるじゃぱなさんについて記事を書きましたが、今回はこちらの方を。

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小原猛(こはら・たけし)ダムダムブックス
1968年8月24日、京都生まれ。怪談作家。『琉球怪談』シリーズほか著作多数。
好きな漫画は山本英夫『ホムンクルス』。
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「沖縄では、本の現場のみなさんの仲が良い」と、どこかで書いたことがあります。仲が良いだけではなく、なんといいますか、境界があいまいでゆるい。例えば古本屋さんが本を出版したり、古本屋でふつうに新刊を売ったり、逆に、新刊書店でふつうに古本が並んでいたり、そんなことが日常的にあります。ほかの地域をあまり知らないので、同じようなこともあるのかもしれませんが。

これは、沖縄の戦後史も関係していると個人的には思っています。

沖縄は、戦後から1972年までは米軍による占領下でしたから、高度経済成長も東京オリンピックも大阪万博も、そこから派生した恩恵も、満身に受けることはありませんでした。なによりも日本から遠く離れた島ですから、商品だって日本並みに入るとはとても言えません。

そんな中、本という数少ない知的商材を、「新刊/古本」と区別することはあまりなかったのだと思います。復帰前に発行されていた雑誌や、あるいは商工年鑑などをめくっていると、新刊も古本も、さらには地球儀も万年筆もネクタイも一緒に売っている本屋さんの広告がよく見つかります。また、ある先輩の話によると、パスポートを持って本土に渡航したときに、新刊/古本問わず山のように購入して帰り、それを沖縄で販売したら文字通り飛ぶように売れたのだそうです。

まあ買い手側に区別がないのは当然として、売り手側にもまた事情がありました。県外から本を仕入れるときの船賃の負担です。本屋さんは、新刊書につけられた定価をドルへと変換するときに、独自のレートを使って少しだけ利ざやを増やし、それを船賃や貿易にかかる手数料にあてていたのだそうです。定価はあれど、その売価は古本と同じく変動があったわけですね。

本に飢えていたこと、時代背景から派生した新刊/古本との区別のなさが、いまの沖縄の本屋事情につながったのかもなと、2016年の私は妄想するわけです。
実際のところをご存知の方がおられましたら、ぜひご教示くださいね。

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話が大きくなりましたが、何が言いたいかというと、そうした境界のゆるさによって、「古本屋さんが本の著者になる」のも頻繁に起こるということです。

その代表格と言えるのが小原猛さんです。沖縄のネット古書店の草分け「ダムダムブックス」の店長さんですが、2011年に実話怪談の本を発行したことをきっかけに、いまや「沖縄の怪談博士」として名をはせています。



琉球怪談』シリーズ第一作。


怪談作家としての単著デビューは、ボーダーインク刊『琉球怪談』です。その後も同シリーズは『七つ橋を渡って』『不思議な子どもたち』(共著・三木静)、『おきなわ妖怪さんぽ』(小原猛と琉球怪団)と続きまして、さらに今年も『琉球怪談作家、マジムン・パラダイスを行く』が刊行されました。

これも、「同業者に沖縄の怪談を集めている面白い人がいる」と、ボーダーインクが日頃から親しくしている古本屋さんが紹介してくれたのがきっかけでした。

小原さんはその後も、東雅夫さんらの『』など各雑誌・媒体での執筆のほか、琉球新報社、TOブックスなどといった県内外の出版社から著書を刊行。「りゅうPON!」での連載などを含めて精力的に執筆をされています。

さらに怪談による地域おこしや、ライター・スチールカメラマンとしての仕事、テレビ・映画・DVDなどの映像作品における監修(たまに出演)など、活躍の場は枚挙にいとまがありません。たまたまTSUTAYAで借りてきたDVDに小原さんが登場して、ぜんぜん中身に没頭できなかったことがあります。レンタル料返せ。

とにかく多才というか、多趣味というか、多忙というか、いろんなことをやっておられる小原さんですが、そのひとつが【ライブの部】でも披露されるドラムです。かなり前に立ち話で「ドラムの経験がある」と教えてもらったのを思い出しまして、「よろしければ今回のイベントでちょっと叩いてもらえませんか」と依頼したところ、「いーよー」とご快諾いただきました。わたしは小原さんに何かを断られたことは一度もありません。とても優しくて親切な方だと思います。

そして、スタジオ練習当日。
やって来た小原さんにドラムを叩いてもらって、一同、超びびりました。
何にびびったかって。
あとは会場で聴いてもらったら分かります。

サマーソニック深夜の稲川淳二みたいに、ブックンロールも時間が極まってきたら小原さんによる怪談語りタイムが…(ない)(ないです)(あったら面白いけどないです)。

さて、当日はどうなることでしょうか。
みなさま、どうぞお楽しみになさってくださいませ。



2016年10月4日火曜日

【ライブの部出演者情報】書苑 じゃぱなさん

さて本番まであと10日を切った(切ってしまった!)ブックンロールオキナワ。おかげさまで、チケットとご予約で満席となりました。パチパチパチ!
 
これも告知や販売にご協力いただいた皆様、そして何よりもイベントに来たいと思ってくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

あとは当日、楽しんでいただけるように、主催者・出演者一同、全力で頑張ってまいります。

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さて、前回の更新では、【ライブの部】にボーカルで出演される、くじらブックスの渡慶次さんについてご紹介しましたが、今回はなんとラップで参加してくださるこの方について、記事を書きました。

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じゃぱな 書苑
書店営業担当。ラッパーとして県内各所で活動中。
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本屋さんといえば実店舗を構えるところだけだと思ってしまいがちですが、実はそれだけではありません。たとえば、学校や図書館(学校・公共)などに本を納入するのを専門としている書店もあります。じゃぱなさんが働いているのもそうした書店さん。子供たちが図書館で本を読めるのは、書店さんが日々、学校を回り、営業して、本を納めてくれているからこそなのです。

どんな本を納入するかというシビアな目で見ているわけですから、選書眼もほかの本屋さんとはちょっと違うように感じます。学校だから単純に児童書だけというわけでもない。沖縄関係の本にも力を入れてくださっていることも、作り手側としてはよく知っています。

図書館と本屋との関係についてはいろいろ沙汰があるようですが、個人的な考えを申し上げますと、図書館は長期間、本を保管してくれ、無料で貸し出しをしてくれますから、読書人口を広げる上でその存在意義は小さくないと思っています。また、実際、学校や図書館からの大口購入は、地元の出版社にとってはありがたい以外の何者でもありません。

沖縄が出版王国といわれる、その一翼と言っては大げさなのかもしれませんが、子供から大人まで、沖縄の本にいつでも触れられる図書館と、そこに本を届けてくださる書店さんたちは、沖縄の出版活動を根っこから支えていると思っています。

そうしたことで、日々、沖縄を北から南まで走り回るじゃぱなさんですが、ラッパーとして音楽活動中でもあります。ライブハウスやイベントでその姿を見た方もおられることでしょう。

私もじゃぱなさんの存在は知っていましたので、彼が出演するライブに行き、パフォーマンスを見たその場で、「ぜひブックンロールに出てほしい!」とスカウトしました。顔を合わせるのも初めてだというのに、いま振り返ってもたいへん驚かれたことだと思います。ほとんどドン・キングの所業ですから。

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話は3年前にさかのぼります。

ただいま開催中のブックパーリーOKINAWA2016ですが、その第1回は2013年に行われました。そのときも、わたしは事務局(という名の裏方)を務めたのですが、期間中のイベントに、ジュンク堂書店那覇店での「ビブリオバトル」がありました。

出演者がそれぞれのオススメ本をプレゼンし、優勝者を決めるのです。私もたくさんのプレゼンを楽しんで、そして推薦された本も買いました。

その一冊がこちら。

ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50

内容はそりゃあ最高です。さらに私はオノ・ナツメさんが好きなので、オノさんが描いた表紙や挿画がたまらなくて、何度もページをめくっては惚れ惚れと眺めていました。

あの中の登場人物になりたい…!

今回のブックンロールのフライヤーを作るときに、ミキシズさんが絵を描いてくれることになりましたが、そのときにもこの本を渡して「オノ・ナツメさんみたいな雰囲気だったら最高」とお願いしたのです。



あとで知りましたが、ビブリオバトルでそのプレゼンをしたのが、当のじゃぱなさんだったのです。ブックンロール、なんだか面白いご縁が続きます。

そんなことで、じゃぱなさんは【ライブの部】でラップを披露してくれます。一体なにが起こるのか!? 私もまだ全容を把握していませんが、とにかく注目の一番ですよ。


2016年9月27日火曜日

【ライブの部出演者情報】くじらブックス 渡慶次さん

9月ももうすぐ終わりですね。ブックンロールオキナワ、本番まで2週間ほどとなっています。皆様、スケジュールの調整などは大丈夫でしょうか。

何度も言うよ〜。日時・会場は、10月13日(木)19時半から、那覇・沖映通りのバンターハウス、予約受付はこちらから。ご予約と前売りを優先する予定で、当日券は出ないかもしれませんので、ご希望の方はお早めにどうぞ。

また、コンセンサスとしてお知らせしますと、【ライブの部】は、バンド演奏をしますので基本的に音が大きいです。ライブに慣れていない方、大きい音が苦手な方もおられますでしょうか。

「どうすればいいんだ!」という世界ですよね。

冗談みたいですが、受付のときに、ご希望の方にティッシュをお渡ししますので、ライブが始まったらティッシュを丸めて耳に詰めてください。アンプのすぐそばで演奏をするミュージシャンも実践している方法です。

みなさんが楽しめるイベントにするため、日々、創意工夫中です。

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さて前回の更新では、【ライブの部】にボーカル・ハーモニカで出演される、小雨堂の三木静さんについてご紹介しましたが、今回は、もうひとりの女性ボーカルとお店についてご紹介したいと思います。

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渡慶次美帆(とけし・みほ)くじらブックス
1984年子年、豊見城村(市)生まれ。バイト時代を含めて約10年の書店勤め後、小さい本屋「くじらブックス」として独立。八重瀬町に開店準備をしつつ、イベント企画・出店など活動中。現在、那覇市松川にて、仮店舗を営業中。
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渡慶次さんとの出会いは、彼女がジュンク堂の那覇店でお仕事していた2013年のこと。その年に行われた第1回ブックパーリーNAHAで、わたしも事務局としてアレコレしていたこともあり、メイン店舗であるジュンク堂スタッフのお一人として知り合ったのです。

いやー、あの年は本当によく飲んでいた……。

渡慶次さんの書店員遍歴がまとめて読めるコラムがあります。

ほんとーく 第一回
      第二回
      第三回

そして翌2014年には、渡慶次さん自身が「第2回ブックパーリーNAHA」の中心人物となり、準備に運営にと奔走しました。特筆すべきは、NAHA ART WALKとのコラボが実現したこと。「本とアートの一大イベント」として、その年のブックパーリーはにぎにぎしく開催されたのでした。

そのあと、渡慶次さんは自分の店を開くためにジュンク堂を退社し、「くじらブックス」の屋号を持つ立派な店長さんになりました。そして、ただいま開催中の「ブックパーリーOKINAWA2016」でも、事務局の一人としてせっせと活動中です。

今年のパーリー事務局メンバーの一人である言事堂さん、満月即興、そしてくじらブックスが主催して、こんなイベントも開催されます。


『満月即興』第30回記念ゆいレール公演×夜の街を走る朗読会


渡慶次さんは、現在、那覇市松川に「くじらブックス」仮店舗をオープンさせています。


入り口




仮の小さなお店とはいえ、中身はたいへん充実しています。沖縄関連古書だけでなく、新刊書、絵本、美術書、サブカル本まで、目配りのきいた品ぞろえはさすがのキャリア。

さらに、毎週木曜は「市場の古本屋ウララ」店頭で「出張くじらブックス」を営業中です。通販サイトも充実していますので、そちらもぜひご利用くださいね。


上記のコラムにもありますが、渡慶次さんは大変な音楽好きで、ブックンロールOKINAWAではボーカルを務めてくれます。
小さなくじら、ようそろー。


くじらブックス(仮店舗、本店舗は八重瀬町にて開店準備中)
〒902−0062 那覇市松川1-12-9
営業時間:11時〜18時
不定休(ブログ・店頭に掲示)



2016年9月14日水曜日

【ライブの部出演者情報】小雨堂 三木静さん

ブックパーリーOKINAWA、おかげさまで無事スタートの運びとなりました。今年の秋もブックイベントが盛りだくさん、どれに行こうか迷っちゃいますね。

そんなことで、ぜひ来てほしい、10月13日(木)19時半〜 那覇・沖映通りのバンターハウスで開催される「ブックンロールオキナワ」。予約受付はこちらから。
沖縄ではイベント予約がわりとのんびりな傾向がありますが、本イベントは基本的にはご予約と前売りを優先しており、当日券は出ないかもしれません。お立ち見席が作れたとしても、長丁場でけっこうシンドイ……なんてこともありますので、ゆっくり観賞したいという方はお早めのご予約をオススメします。

ちなみに、会場ではお飲み物はオーダーになりますが、食べ物は持ち込みOKとしています。お弁当やお惣菜、バーガーキング(近所)、タンナファクルー(近所)、日本そばの出前(近所)、宅配ピザなど、ご自由にお持ち込み・ご注文くださいませ。

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さて前回の更新では、【トークの部】に出演される、金武文化堂の新嶋さんについてご紹介しましたが、今回は【ライブの部】出演者。ボーカルほかを務めるこの方を紹介したいと思います。

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三木静(みき・しず)小雨堂
兵庫県生まれ。古書店兼イラストレーター。『琉球妖怪大図鑑 上・下』(琉球新報社)イラスト担当ほか。好きな漫画は荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』。
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小雨堂は浦添市沢岻にあります。沖縄関連本を中心に、アート、サブカル、コミック、海外のカートゥーンアニメグッズなど、小さいお店にさまざまなジャンルが盛りだくさん、沖縄ではちょっとめずらしいかんじの個性的なお店です。ミキシズさんは、絵本ジャンル担当。絶版になった絵本を中心に扱っているそうです。


イラストレーターとしても活動中で、新聞の挿画などさまざまなジャンルに作品を提供しています。なかでも、小中学生向けの新聞「りゅうPON!」にて、沖縄の妖怪やマジムンを紹介する連載の、(超こわい)イラストを担当しているのはよく知られています。連載をまとめた『琉球妖怪大図鑑 上・下』(琉球新報社)という本が発行されていますので、本屋でご覧になった方も多いのではないでしょうか。

そんなミキシズさんの、はじめての単著が、2011年刊行の『まんが 琉球こどもずかん』です。


私とミキシズさんとのお付き合いのスタートは、この作者&担当編集者としてのもの。しかし初対面から酔っぱらっていた担当編集者と、これまたお酒が好きな作者は、あっという間に意気投合。本が出たあとも、飲み、語り、のちにはウクレレであれこれしたり(たんかん)と、仲良くさせていただいてます。さっぱりとした、気の良いお姉さまです。

ミキシズさんが絵を担当した『楽しい、すぐ使える 福祉レクリエーション』
(ボーダーインク)

10月15日(土)に開催される「屋台村古本市」フライヤーのイラストも。


あと、すげぇクールな切り絵をやってます。


「怪談イラストといえば沖縄にミキシズあり」と言っても過言ではないでしょう。ちなみに高橋葉介が大好きだそうです。浦添の小雨堂に行けば、ミキシズさんの作品と、挿画などを手掛けた書籍などがたくさん見られますよ。

ちなみに、ご主人であるヒデキも絵描きさん。沖縄タイムスで「こぶりちゃん」という父娘マンガを連載していましたので、そちらのバックナンバーも見られるかもしれません。

今回のブックンロールではハーモニカとボーカルを担当します。フライヤーのイラストもミキシズさんの手によるもの。どうぞお手にとって、そしてライブも楽しんでくださいね。

小雨堂
〒901-2112 浦添市沢岻2丁目14−2
TEL:098-894-5202
営業時間:12時ごろ~18時ごろ
定休日:火曜日(変動アリ)




2016年9月12日月曜日

【トークの部出演者情報】金武文化堂 新嶋さん

そうこうしているうちに、9月になって、ブックンロールオキナワ開催まであと1ヵ月になりました。これからちょっとスピードを上げて、出演者情報などを更新していきたいと思います。

10月13日(木)19時半〜 那覇・沖映通りのバンターハウスで開催される「ブックンロールオキナワ」、予約受付はこちらから。想定より早いペースでお席が埋まってきています。基本的にはご予約と前売りが優先で、当日券は出ないかもしれませんので、ご希望の方はお早めがよろしいかと思います。

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さて8月の更新では、【ライブの部】にベースで出演される、リブロリウボウBC店の筒井さんについてご紹介しましたが、今回は【トークの部】にご出演の方とお店についてご紹介したいと思います。

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金武文化堂(きん・ぶんかどう)
本島北部の金武町にある、創業50年以上の老舗書店。近くには小学校・中学校があり、子供たちの姿でにぎわう「町の本屋さん」。登壇者は二代目の店主、新嶋正規さん。
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国道329号、キャンプ・ハンセンのゲート、そしてタコライス屋や飲屋街のあるにぎやかな界隈を走りぬけて、金武観音寺の入り口を過ぎたさきに「金武文化堂」はあります。お店ができてから50年以上が経った老舗の書店さん。裏手には金武小学校、もうすこし先には金武中学校があって、本や雑誌、文具、学用品なども扱っている「町の本屋さん」です。



復帰前に発行された雑誌なんかをめくっていると、本屋さんの広告をわりと目にします。お店の宣伝はもちろんなのですが、万年筆や地球儀といったハイカラな商品、そして洋書を扱っていることをアピールしているものも多く、なるほど本屋は知性とセンスの象徴なのだということがよく分かります。金武文化堂も、その品揃えの良さから「金武の山形屋」と呼ばれていたそうです。

ちなみに金武文化堂さんのこの建物は、つくられた当時のままだそうですので、古い建物好き、さらに「トマソン」好きの方はぜひ訪れてくださいね。

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今回、登壇される新嶋正規さんは、お父さんから店を引き継いだ二代目です。地域に密着した本屋でありたいと、店売りはもちろんのこと、学校や図書館への外商、そしてPTA活動、地域のボランティアなどにも熱心に取り組んでおられます。長年のお客さんから頼まれて、新品では手に入らない絶版本などをオークションサイトで取り寄せたり、ときには県内の古本屋に注文して仕入れたりしているそうです。

2014年、沖縄でも「町には本屋さんが必要です会議」、通称「町本会」というイベントが行われましたが、開催を知った新嶋さんも那覇まで足を運んで参加されました。会場では「町の本屋さん」のお一人として発言もされており、そのときの様子は、町本会についての詳細をまとめた『本屋会議』にも印象的に書き残されています。

町本会に参加したあと、新嶋さんは一念発起して、本屋さんを開業したいという人向けの講座に申し込んだそうです。週一回の講座でしたが、会場はなんと横浜でした。毎週、毎週、金武から那覇まで行って(この時点ですでに遠い)、そこからさらに飛行機で横浜へ飛んで、ホテルに泊まって全ての回を受講したそうです。受講者の中で、すでに書店を経営していたのも、もちろん沖縄から来たのも新嶋さん一人だったとか。

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新嶋さんは、お父さんから店を引き継いでからはずっと試行錯誤してきたそうです。お客さんに来てもらうために、本だけではなく、プラモデルやジオラマなど流行っているものも仕入れて売ったし、最近では子供向けの駄菓子を置いたのだとか。いわく「子供が集まってくるのはいいけど、駄菓子の包み紙なんかをあちらこちらに散らかすし、お菓子は仕入れの手間がかかるわりに売上は微々たるものだし。そして、子供があまりにも騒いでうるさいからって、かえって大人のお客さんが遠のいてしまった」

講座を受けながら、新嶋さんは金武文化堂の新しいありかたを模索したそうです。あの、文化財級にレトロな建物も味わいがあるし、お店の東側はゆるやかな下り坂になっていて、その先には美しい海が広がっています。建物の二階で、海の見える大人向けのブックカフェができないか……。

ある日の講座からの帰り道、電車で一緒になった同期の受講生にもカフェのことを話したところ、その人は、新嶋さんにこう言ったそうです。
「うーん、ブックカフェは、子供たちにとって楽しい店なんですかね?」

■ ■ ■

金武の子どもたちと、元子どもたちは、金武文化堂のことを「きんぶん」と呼んでいます。
中北部のなかでも、金武町は「基地の街」のイメージがとりわけ強いかもしれません。しかし、キャンプ・ハンセンや訓練場などが町面積の6割を占めてはいるものの、基地周辺とその界隈の繁華街を外れれば、泉とその恩恵を受けた水田が広がっていたり、有名な鍾乳洞もあったりして、自然の美しさのほうが印象に残ります。


またまた余談ですが、沖縄唯一の「有線電話」も金武町にはあります。各家庭に4ケタの番号が割り振られており、ご近所の用事はそれで済ませられるのだとか。(ちなみに電話帳まであって、月額700円で通話し放題)

「きんぶん」には、放課後になると子どもたちがコミックスや駄菓子を買いにきます。何も買わないときもあるし、雨が降っていれば雨宿りに。入り口の有線電話でおばあちゃんに電話をかけ、店内でお菓子を食べながら迎えを待ちます。学校には持って行けないからと、登校のときにお金を預けていき、下校時に受け取ってお菓子を買って帰る子までいるのだとか。

本屋には、いつも店員さんがいるから、迎えのおばあちゃんも安心して孫を待たせているだろうし、お金を預ける子どもたちも、きっとそうでしょう。子どもたちが、お金があっても無くても立ち寄って長居できる場所は、図書館や本屋ぐらいかもしれません。

カフェを構想していた新嶋さんは考えを大きく変えました。大人向けに限ったカフェというだけではなく、子どもも楽しめる店を目指すことにしたのだとか。
「そもそも、食っていくためなら、もっとらくな商売がある。だけど、子どもを大切にしないと意味がない。そのことに気づきました」と、新嶋さんは話します。

私はこの話を聞いたときに、ちょっとだけ驚きました。本屋を続けていて、それが結果的に子どもたちを見守ることになったということは、あるのかもしれないけれど、見守ることそのものが本屋をやる目的とは。

だから店を続けていくために何かをしないといけない。地元密着で泥臭く。
結局、元に戻ったんです。また試行錯誤しないといかない、と新嶋さんは笑っていました。

■ ■ ■ 

新嶋さんは新しい試みのひとつとして、金武文化堂のFacebookとTwitter(@kinbun11k)を始めています。新刊コミックの入荷を知らせる画像がアップされて、親世代となったきんぶんの子どもたちから、たくさんの「いいね!」がつきます。彼らの子どもたちも、きっと放課後は「きんぶん」に行っていることでしょう。本を買いに、雨宿りをしに、待ち合わせのために、用事がなくても。

今回のブックンロールでは、そんな金武文化堂さんの日常と、新嶋さんのチャレンジについてお話をうかがうことができればいいなと思っています。あとは金武町の魅力についても。わたしは、金武の名物「チーイリチー」と「タコライス」が大好きです。


金武文化堂
〒901-1201 金武町金武533
電話・FAX 098-968-2130


2016年8月22日月曜日

予約・前売り券の販売について

【10/4お知らせ】ブックンロールオキナワ2016、チケットはソールドアウトとなりました。当日券の予定もございません。下記の内容は残してありますが、ご予約等不可となっておりますので、何卒ご容赦くださいませ。

さて、お待たせしました。ブックンロールオキナワ、予約受付をスタートさせました。




ブックンロールオキナワ
2016年10月13日(木)  OPEN19:00 START19:30
ライブの部 START19:30~ トークの部 START20:30~
●会場:バンターハウス 那覇市牧志2-17-3 PLAZA21地下1F(沖映通り、東江メガネ近く)電話098-863-7967
●料金:1,500円(1ドリンク付き、前売り・予約優先)
 ※食べ物は持ち込み自由です。
 ※ライブの部のみ・トークの部のみのご予約はできません。
●予約・お問い合わせ
メール erikaあっとまーくborderink.com(あっとまーくを記号にしてください)
電話098-835-2777(喜納)


【ご予約・前売り券について】

1、メール・電話でのご予約
上記のメールアドレス、もしくは電話にてお申し込みください。
メールの際は、お名前・ご連絡先・人数を明記ください。メールを受信してから3営業日以内に当方より返信いたしますので、もし返信がない場合はメーラーによる何らかのエラーのために受付が完了できていません。申し訳ありませんが、再度のご連絡をお願いします。携帯やスマートフォンから送信される場合は、パソコンからのメールを受信できる設定にしておいてください。
お支払いは当日、会場受付にてお願いいたします。

2、前売り券の購入
開催までの期間、当イベント関係者がチケットを持ち歩く予定です。会えた方はラッキーだと思って(笑)、現金にてお買い求めください。

3、当ブログからの申し込み
メールアドレスを持っていない方に限り、当ブログのコメント欄でも受け付けをいたします。管理者にしか見えない設定になっていますので、安心してお申し込みください。その場合も、お名前・ご連絡先・人数を明記ください。

4、当日券について
完全オープンのイベントですので、当日フラリといらしてもOKなのですが、基本的に予約・前売り券のお客さまの入場を優先しています。事前に満席となった場合には確実に入場できるとは限りませんので、なるべく予約されることをオススメします。

5、キャンセルについて
2週間前までに要ご連絡です。チケットを購入された方には直接返金し、予約の場合は連絡をいただいた時点でキャンセルとさせていただきます。申し訳ありませんが、チケット購入以外でお申し込みの場合、くれぐれもキャンセル期限を越えてのドタキャンはNGでお願いいたします。


【会場について】

会場となるバンターハウスは、那覇市の沖映通りにあるライブバーです。国際通りの真ん中あたりに「スターバックス」が建っていますが、そのスタバのある「むつみ橋交差点」から、モノレール美栄橋駅方面へ向かう大きめの道が沖映通りです。(アーケードはありません)。「ジュンク堂がある通り」といえばわかりやすいでしょうか。




国際通りから沖映通りに入って右側の歩道を進むと、大きなメガネの看板が見えてきます(東江(あがりえ)メガネ)。バンターハウスはその手前の建物の地下1階にあります。壁にカンバンが出ていますので見落とさないようにしてくださいね。



カンバンの正面に立つと、地下への階段が見えます。ここを下りると会場に到着しまーす。当日、もし道に迷った場合は、会場のバンターハウスに直接お電話くださいね。電話098-863-7967です。

2016年8月2日火曜日

8/2現在【出演者情報】リブロリウボウBC店 筒井さん

気付けば8月ですね。
ブックンロールオキナワの仕込みも粛々と進んでいます。
先日は無事にバンド名が決まりました。

さて前回の更新では、【ライヴの部】【トークの部】両方に出演されるBOOKSじのんの天久斉さんについてお知らせしましたが、今回は【ライヴの部】にご出演の方、そしてお店についてご紹介したいと思います。

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筒井陽一(つつい・よういち)
1975年4月23日、練馬区生まれ。リブロリウボウブックセンター店店長。書店は豊島区育ち、さらに吉祥寺育ち、大阪名古屋を経て、さらに沖縄育ち中。大友克洋リスペクト。
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筒井さんが店長を務める「リブロリウボウブックセンター店」。沖縄のメインストリート国際通りの起点となっている、沖縄県庁前スクランブル交差点に「RYUBO」と書かれた大きなビルが建っていますが、そのデパートリウボウの7階にあります。

沖縄のリブロのことを語るには欠かせないエピソードに、「南北大東島への出張販売」があります。

北大東島と南大東島は、沖縄本島から東におよそ360キロ離れたところにあります。島は高い崖にかこまれていて、フェリーでやってきたお客さんは、崖のうえにある港からゴンドラごとクレーンで吊りあげられて上陸します。飛行機ももちろん就航しているのですが、このクレーンでの上陸は一度体験してみたいものです。

人口は、北大東はおよそ700人、南大東はすこし大きいですがそれでも1200人ほど。いずれも学校図書館はありますが、残念なことに本屋さんがありません。

リブロでは、南大東島へは春と秋に、北大東島へは初夏に、数千冊もの本をどんぶらこっと運んで出張販売を行っています。

今年も6月には北大東へ。

会議用の長机をならべて平台にして、人文書や文芸書、そして雑誌やコミックの最新号などを含めた4000冊の本が並んだそうです。子どもたちがおこづかいや図書券を握りしめて朝から待っている姿や、おじいちゃんおばあちゃんが笑顔で本を選んでいる姿などを、ニュースで見るたびに胸が熱くなります。

■ ■ ■

実は、この出張販売を始めたのは「沖縄文教図書」という本屋さんでした。
創業は1950年。きっかけは沖縄戦にさかのぼります。

戦争は沖縄の何もかもを焼き尽くしましたが、教育も例外ではありませんでした。教師や、なによりも当の児童生徒も多くが命を落としましたし、かろうじて戦火を免れた人々であっても、終戦直後はその日を生き延びられるかどうかの状態におかれましたので、学校どころではないわけです。

それでもと教師たちは学校を再開させようとしましたが、集まった子供たちをまずは海に連れて行き、汚れきった体を洗うことから始めざるを得なかったそうです。青空のもと、海岸の砂浜を黒板代わりに、戦争で燃えのこった紙にクギで文字を書いたものを教科書にして、戦後沖縄における学校教育はスタートしました。

のちに、日本でつくられた教科書の配給が米軍からおこなわれるようになりましたが、現場の要望からはまるで外れたものでしかなく、学校現場からは「自らの手で、良い教科書や教材を選びたい」という声が高まっていきます。こうして、学校の先生や地区教育委員会の皆さんが中心となり、「沖縄文教図書」が設立されたのだそうです。

戦後沖縄の本屋さんの歴史において、「教科書」はひとつの大きなキーワードだと言えるでしょう。

日本との民間貿易が自由化された1950年以降は、商品の行き来も比較的自由になっていきましたが、ドル/円の交換レートの問題、輸送コストなど、沖縄という「外国」かつ「遠隔地」での仕入れには苦難がつきまとったそうです。これは文教図書に限らず、沖縄のたくさんの書店がそうだったでしょうし、現在でも似たような問題は残っていますが。

沖縄の子供たちに、本土と同じように教科書を。
宮古や八重山にも積極的に店舗をつくり、本屋のない離島にも出向いて出張販売を行ってきた背景には、そうした創立の理念があってこそだと思います。

■ ■ ■

2003年、文教図書はデパートリウボウ内にあった店舗を閉め、その歴史に幕を下ろしました。あとに入るかたちでオープンしたのがリブロリウボウブックセンター店です。

わたしたち地元出版社は、自分たちでつくった本を沖縄県産本と呼び、文教図書で「沖縄県産本フェア」を開催したり、店頭にもたくさん本を置かせてもらったりしていましたから、それを県外から来た書店さんが継続してくださるのか、正直なところ戦々恐々という気持ちもなくはなかったのですが、リブロさんは出店が決まった早々から、取引も、そしてフェアも継続することを決めてくださり、さらに、「過去よりも盛り上げたい」と熱烈なる二人三脚で取り組んでくれました。

「南北大東の本屋さん」が、文教図書からそのままリブロに引き継がれたように。

■ ■ ■

そのようなことで、またまた長ーく長ーくなりましたが、今回のブックンロールオキナワに出演される筒井さんは、昨年、那覇のリブロに副店長として赴任され、現在は四代目の店長を務めています。

筒井さんは以前から「本家ブックンロール」のことは知っていて、本家主催の空犬太郎さんともよく飲みに行くほどの間柄とうかがっていますが、まさか沖縄でブックンロールに出演する羽目になるとは思っていなかったことでしょう。温厚なお人柄の、かっこいいベース弾きですよ。

そして、ことしもリブロでは「第18回沖縄県産本フェア」が開催されます(9月15日(木)~10月4日(火))。毎週末にはトークイベントが行われるのですが、そのうちのひとつが「リブロスタッフが語るエピソード―海をちゃぷちゃぷ 南北大東島 出張販売―」。
筒井さんも出演してあれこれ語ることになっていますので、そちらもどうぞ楽しみになさってください。


特別トークイベント「週末もリブロへGO!」 
会場:リブロリウボウブックセンター店、観覧無料

●917日(土)15時~ 
『金城次郎とヤチムン -民藝を生きた沖縄の陶工』松井健著 刊行記念トーク/出演:松井健(東京大学名誉教授)、倉成多郎(那覇市立壺屋焼物博物館学芸員)

●918日(日)15時~ 
リブロスタッフが語るエピソード 海をちゃぷちゃぷ 南北大東島 出張販売 /出演:リブロスタッフオールスターズ 

●919日(月・敬老の日)15時~
絵本『歌うの大好きミミクジラ~』読み聞かせ/出演:沖縄県子どもの本研究会

924日(土)15時~
沖縄の釣りを語る!~ルアーで釣ろう!~ 出演:sacom works先生(釣りマンガ「LUCKY CAT’s LURE FISHING SCHOOL」執筆)ほか 

●9月25日(日)
14時~「先人の墓所をたずねる ~墓参までの裏ばなし~」/出演:仲村顕(歴史教育研究会)  
16時~『生態写真と鳴き声で知る沖縄のカエル』(佐々木健志・山城照久・村山望著)刊行記念トーク/出演:著者一同

●101日(土)15時~
絵本『チムドンドンおきなわ』ワークショップ -箱の中身は……?/出演:絵本スタジオ アコークロー 安里めぐみ

●102日(日)15時~
2回 リブロからスタート ぼくの〈那覇まち〉放浪記ツアー/ガイド:新城和博、定員10名(リブロへ要申し込み、電話098-867-1725


リブロリウボウブックセンター店
〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地1-1-1
デパートリウボウ7F
TEL:098-867-1725
営業時間:10:00〜20:30


2016年7月15日金曜日

7/15現在【出演者情報】ブックスじのん天久さん

着々と準備が進んでいる「ブックンロールオキナワ」。
前回の更新では【トークの部】に「本家」ブックンロール主催者、空犬太郎さんが登壇されるとお伝えいたしました。その他の出演者についても、決まり次第こちらでお知らせしていきます。

さて、今回更新では【ライヴの部】【トークの部】の両方にご出演される方からご紹介しましょう。

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天久斉(あめく・ひとし)
1959年7月19日、貘忌生まれ。奈良富士子、近藤真彦と同じ誕生日(それぞれ5歳上と5歳下)。宜野湾市にあるブックスじのん店長。表向きは沖縄関係専門店だが、実はアダルト雑誌が好きなので、お店からアダルト棚が消えることはない。好きな本は『小柳ルミ子写真集』。好きな女優はあめくみちこ。 

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ブックスじのん」は宜野湾市にある沖縄関係専門の古書店です。その蔵書量は目を見張るばかりで、一般の読者はもちろんのこと、専門性が求められる研究者たちや、沖縄本コレクターの方々からも絶大な支持を受けています。わたしも調べものをしていて欲しい沖縄本があるときは、ブックスじのん、または↓↓の古本屋さんたちを訪れたり、あるいは探してもらったりしています。これだけの蔵書を扱うわけですから、本だけでなく、沖縄、そして琉球弧の歴史や文化への造詣が深いのも言うまでもありません。

沖縄の人気ポータルサイト、DEEokinawaさんが潜入記事を書いています。

沖縄の古書店業者でつくる「全沖縄古書籍商組合」というものがあります。ブックスじのんをはじめ、組合長をつとめる武石和実さんの榕樹書林コザすばる書房、最近、壺屋から浦添へ引っ越したツボヤ書房などなど、老舗のみなさんから、ちはや書房言事堂市場の古本屋ウララ小雨堂などのニューフェイスまで、現在17団体が加盟しているそうです。

同組合のセリ市の様子が、BS朝日「宮崎美子のすずらん本屋堂」の『南の島・沖縄、市場にある小さな古本屋さん「ウララ」』の巻でも取り上げられました(2016年2月19日放送)ので、覚えておられる方も多いと思います。

沖縄の特徴のひとつですが、本に関わる人たちの敷居がとても低いといいますか、仲が良いということが言えると思います。たとえば新刊書店と古書店とが一緒にイベントを開いたり、定期的に情報交換を行ったりも日常的にあります。ほかの地域だと両者はライバル関係にあるケースが多いそうで、はじめてそれを聞いたときは逆にちょっと驚いたものですが。

また、古書店だからといって古本だけを販売するわけではなく、新刊本も仕入れて売っています。とくに地元出版社であれば物理的距離も近いですので、新刊の配本ルートに古本屋が入っているなんてケースはわりとあるわけです。さらに、品切れになっている本の注文が出版社にあった場合は、古本屋さんに連絡をして、古本での在庫があるかを確認してお客さんに案内することもよくあります。

このような付き合い方も、沖縄の商習慣があるからこそ可能になっていると言えますし、個人的にはそうしたゆるやかさ、流動性というようなものが、沖縄の出版をかなりの度合いで支えていると考えていますが、長い話になりそうなので別のときに。

さらに、古本屋さんが「売りたい本をみずから発行する」ということもあるのです。ブックスじのん、榕樹書林はその代表的な存在で、地元出版社でつくる「沖縄県産本ネットワーク」にも版元の一員として加盟しておられます。どんな本を出しているかについては、各店舗のサイトをご参照ください。

そんなことで、沖縄の古書店について長々と書いてしまいました。古本屋と新刊書店と出版社がゆるやかにつながって共存する沖縄。【トークの部】で、天久さんがさらに詳しく、正確に、熱烈に!語ってくださることでしょう。【バンドの部】ではボーカルも務められますので、そちらもどうぞ楽しみになさってくださいね。

あ、上記の略歴に対してのツッコミは天久さんへ直接どうぞ、とのことでした(笑)。

BOOKSじのん
〒901-2215 宜野湾市真栄原2-3-3
TEL:098-897-7241
FAX:098-898-7039
営業時間:9:00〜20:00
定休日:無し(年中無休)



2016年7月8日金曜日

7/8現在【出演者情報】空犬太郎さんが登壇されます

前回の更新では、本家ブックンロールについて、そして本家の企画・主催を務めておられた、空犬太郎さんについてのご紹介記事を書きました。

10月に開催されるブックンロールオキナワには、その空犬太郎さんに【トークの部】にご出演いただくことになりました。パチパチパチ!

あらためて、ブログ「空犬通信」よりプロフィールを転載します。

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中央線沿線在住の本好き・書店好き出版関係者です。本と書店の紹介サイトで、新刊書店の話題が多めです。
このblogについては、「空犬宣言」を、twitterについては、こちらをご覧ください。アカウントはこちら、ログはこちらです。
出版・書店関連テーマのイベントを企画・主催しています。2016年の開催予定はこちら(2015年の開催分はこちら、2014年の開催分はこちら)。
夏葉社の『本屋図鑑』(2013)、『本屋会議』(2014)で、執筆・取材の一部を担当しました。洋泉社の『本屋はおもしろい!!』(2014)、『子どもと読みたい絵本200』(2015)、『本屋へ行こう!!』(2015)で書店紹介など記事の一部の執筆を担当しました。『編集会議』2015年秋号(宣伝会議)、『ほんまに』17号(くとうてん)に寄稿しました。
----------------------------※ここに記載されたのも活動のごく一部であると思います。

沖縄とのかかわりですと、主催・発起人の一人を務めた「町には本屋さんが必要です会議」、通称「町本会」が、全国巡回のひとつとして2014年10月に沖縄で開催されました。同じく発起人である夏葉社の島田潤一郎さんがイベントの出演と進行をして、そのときの様子は夏葉社から刊行された『本屋会議』に収められています。

「町本会@沖縄」ではわたしも現場のお手伝いをして、こんな記事を書きました。よろしければご一読ください。

出版社として、客として、沖縄で思う「町の本屋さん」のこと(上)


出版社として、客として、沖縄で思う「町の本屋さん」のこと(下)

※『本屋会議』に先駆けて発行された『本屋図鑑』、沖縄からは石垣の山田書店さんが紹介されています。

全国あちらこちらの書店を回ってこられた空犬さんですが、沖縄にいらっしゃるのは今回のブックンロールが初めてなのだそうです。【トークの部】では全国各地の本屋事情をはじめとして、空犬さんが見た、沖縄の本屋・本・出版などといったお話をうかがう予定になっています。

ちなみに、ではなく特筆しておきたいことですが、本と音楽のイベントを企画されるだけあって、空犬さんご自身もたいへんなギターの名手です。かっこいいテレキャスターを弾いておられますよ。

また、具体的にはこれから詰めていきますが、登壇者と参加者のみなさんがお話ができる時間なども設けられたら、と考えています。出演を予定されている方はみなさんご多忙ですし、とくに東京から来られる方ということであれば、沖縄でお話できる機会もそうそう多くはないと思いますので、関心のある方はぜひとも足をお運びいただけると幸いです。

近いうち予約方法について公開する予定です。ご参加希望の方は早めのスケジュール調整を、県外から来られる方はますます早めの調整をされてくださいね。

2016年7月4日月曜日

7/4 ブックンロールとは、そして沖縄開催のいきさつ

「ブックンロール」。
この言葉に言いしれぬトキメキを覚えます。なぜなら大好きだから! 

自分が運営するイベントを「大好き!」とはなんだかちょっとアレみたいですが、そうではなくて、実は、ブックンロールオキナワには、「本家」と言うべきイベントがあるのです。それが、東京で2010年から2015年にわたって開催された「ブックンロール Book’n’Roll」です。

この素敵なイベントを企画・主催されていたのは、編集人の空犬太郎(そらいぬ・たろう)さん。本と本屋好きのあいだでは全国的に知られた方で、私もたいへん尊敬しています。

活動は多岐にわたっていて、『本屋図鑑』『本屋会議』の著述・編集ほか、雑誌やムック等の本屋特集における執筆、ブックンロールをはじめ「町本会」ほかの多彩なイベント運営など。また、Twitter@sorainu1968)およびブログ「空犬通信」でも本と本屋についてのニュースを驚くほど膨大に(本当に驚くほど!)発信しています。そうした情報を得たいという方は、ブログとTwitterのフォローはマストですよ。

私が、ブックンロールオキナワを称して言う「本と書店と音楽のイベント」というフレーズも、本家「ブックンロール Book’n’Roll」からお借りしたものです。


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「空犬通信」にはもちろん「本家ブックンロール」の運営情報なども詳細にアップされていますので、その中から、2010年~2015年までのキャッチフレーズを拾ってみました。各イベントのリンクを貼り付けましたので、どのような方が出演され、どのようなテーマで語り合ったのか、ぜひご覧ください。

2015年】
ブックンロール Book'n'Roll 2015 The Last Waltz ~それでも本屋はおもしろい~

2014年】
ブックンロール Book'n'Roll 2014 ~それでも「本屋」で、生きていく~

2013年】
ブックンロール Book'n'Roll 2013 ~やっぱり本屋はおもしろい~

2012年】
ブックンロール Book'n'Roll 2012 ~上を向いて歩こう~ 1  2

2011年】
BOOKROLL Vol.3 ~街の本屋ですが何か?~ 1  2

2010年】
BOOKROLL 2010



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私は沖縄在住ながら、空犬さんの日々の発信から「東京で、ブックンロールという音楽と本のイベントがあるらしい」と知りました。2013年のことです。イベントが開かれることになった背景には、本屋が置かれてしまった苦境があったことでしょうし、いっぽうで、日々頑張っている書店員や、出版社や、取次会社の存在もあったことでしょう。

そうした状況は沖縄でも変わりはなく、わたしも出版社に働くひとりとして、なにかできないか、なにか打てる手はないだろうか、そんなことを考える日々が続いている中でした。しかし、会場は東京、ここから簡単に行ける距離でもありません。沖縄という小さい島のすみっこで、ずっとなにかが引っかかったまま、時間が過ぎていきました。

そして、翌年、ふたたび「ブックンロール開催」のお知らせをTwitterで見かけました。一年も引っかかっていたのだから、もう迷っていてもしかたがない。私はすぐに参加の申し込みをしたのでした。「いままでブックンロールに参加した中で、もっとも遠くから来た人です」と、打ち上げで一気に仲良くなった空犬さんに言われましたが。

過去にこんな記事を書きましたので、よろしければご覧ください。



■ ■ ■



本家ブックンロールは、2015年に「The Last Waltz」と銘打って、ひとまずの終了を見ました。空犬さんは6回のイベントを振り返って、ブログでこんなふうに書いておられます。

「本を、書いたり、作ったり、売ったりする側がしょんぼりしていてはいけない……そんなふうに思い、ならば、そのしょんぼりしていない連中がどんなことをしているのか、どんなことを考えているのか、イベントのかたちでみなさんに聞いてもらおう、見てもらおう、ついでに、そういう連中はけっこう楽しんでやってもいるんだよ、というところも見てもらおう、ということで、このような、トークにライヴをくっつけたイベントを考え出しました。2010年のことでした。」

2014年、2015年とブックンロールを見に行って(翌年も行ったのです)、単に「悲しい」「寂しい」という気持ちで終わりを迎えることが全くできませんでした。もうなんといいますか、陳腐な言い方ですが本当に心にぽっかりと穴があいたような。

沖縄とはまた違った、本の現場のことがたくさん聞けたのもブックンロールのおかげでしたし、ただの沖縄のいち編集者に、東京や県外で頑張っているたくさんの皆さんと知り合う機会をくれたのもブックンロールでした。

そのつながりで、空犬さんと夏葉社の島田潤一郎さん、往来堂書店の笈入建志さんが主催する「町本会」を沖縄で開催するときは現場のお手伝いもしました。この町本会をきっかけに、沖縄の本屋さんたちとも面白いつながりができましたが、それは別のお話に譲ることにしましょう。ブックンロールはわたしにとって、地域を越えて、さまざまな本の現場とつないでくれる大動脈のようなものだったのだと、あとで気付きました。


■ ■ ■


「沖縄でもブックンロールができたらなぁ」。そんな考えが浮かんだのは、はじめてブックンロールを見た日でした(早い)。イベントの翌日にはお茶の水でエレアコのギターを買い(それまで弾けたためしはない)、沖縄に戻ってからは、友人知人にブックンロールで聞いたこと見たものについて熱っぽく語る私は、どんなふうに見えたでしょうか。

2015年の秋、個人的な用事で(まあ遊びにというやつで)私は上京することになり、空犬さんにもそのことをメールでお伝えしたところ、「自分が主催しているbeco talkというトークイベントにプチ出演しませんか」というお申し出をいただきました。西荻窪のブックカフェ「beco cafe」で定期的にイベントを開催しておられたのです。

当日は、慣れないことで冷や汗をかきながら沖縄の出版事情についてお話をしたのですが、打ち上げの場で、空犬さんに「沖縄でのブックンロール開催を実現させたいのです」と図々しくもお願いしたところ、空犬さんは快くオーケーを出してくれました。
夢みたいでした。


■ ■ ■


そんなことで、長い長いいきさつの話はまとめに入ります。

ブックンロールオキナワには「本家」というべきイベントがある。

それが2010年~2015年まで東京で開催された「ブックンロール Book’n’Roll」である。

「本家」の主催は、本に関する多彩な活動をしている空犬太郎さん。

沖縄での開催は、「本家」イベントをリスペクトし、大ファンだった沖縄のいち編集者によるもの。

これから開催されるブックンロールオキナワ。どのような内容になるのでしょう。どのような方が来場されるのでしょう。「本家」と比べるべくもない頼りない主催者ではありますが、それでも、来られた方が何かを感じ取って、何かを持ち帰ってほしいと思っています。

大動脈とまではいわなくても、本屋さんや、本が好きな人や、本を作る人たちをかすかにでもつなげていけたら。流れをすこしずつでも広げられたら。そんなことを考えています。

2016年7月1日金曜日

7月現在、まずは【バンドの部】のこと

Book'n'Roll OKINAWA ブックンロールオキナワ。
日時:2016年10月13日(木)よる
那覇市内での開催となります。

「ブックンロール」。この素敵なイベントのことをご存知ない方もおられるかもしれません。ブックンロールとは、どこでどのように始まったのか、これまでの様子や内容、そしてオキナワでの開催に至った経緯などについて、これから順次お知らせしていこうと思っています。

まずは、10月13日のイベントについて、決まった情報・外に出せる情報から、少しずつ公開してまいりましょう。

「本と書店と音楽のイベント」と銘打つブックンロールは、【ライヴの部】と【トークの部】の二部構成で展開されます。【トークの部】では、本屋さんや古本屋さん、編集者などなど、本に関わる方々が、本に関するテーマで語り合う予定になっています。内容や出演者については公開待ちや未定部分もありますので、OKになり次第、情報をアップしていきますね。
【トークの部】めちゃくちゃ面白くなる予定です。

ということで、本日はまず、【ライヴの部】について。
こちらも【トークの部】と同様に、いずれも本に関わる人たちが出演、そして演奏することになっています。本日はまず、公開OKをいただいた方からメンバー紹介をしていきましょうか。
気になる方はいますか?

天久斉(BOOKSじのん店長):ボーカル
渡慶次美帆(くじらブックス):ボーカル&トロンボーン
小原猛(怪談作家、『琉球怪談』ほか著者):ドラム
筒井陽一(リブロリウボウブックセンター店):ベース
三木静(小雨堂):ハーモニカ?
喜納えりか(ボーダーインク編集者):ギター

●じゃぱな:ラッパー(書店営業担当)

……and more



2016年6月30日木曜日

ブックンロール Book'n'Roll を沖縄でも開催いたします。

本と書店と音楽のイベント ブックンロールオキナワ Book'n'Roll OKINAWA

日時:2016年10月13日(木)よる
場所:那覇市内

イベントの詳細は追って、お知らせいたします。